疲れやすさを改善する食事方法
なんか最近、「疲れやすい」「イライラする」「集中力がない」。。。
もしかすると、日々の「食事」が原因かもしれません。
この記事では、「疲れやすさの原因」や「疲れやすさを改善するための食事方法」について解説していきます。
疲れやすさの原因は「血糖値」
疲れやすさ、イライラ、集中力の低下は「血糖値」に関係があります。
血糖値とは、血液中のブドウ糖(糖質)の濃度のことです。ブドウ糖とは、カラダを動かすエネルギーのことで、血液でブドウ糖を全身に運ぶことによって、カラダは動いているわけです。
糖質を食べると血糖値は上がります。ふつうの量であれば問題ありません。しかし、たとえばお菓子やジュースなど、糖質の量が多すぎるものをとると、血糖値は急激に上がります。そのあと、血糖値は急激に下がり、「低血糖」という状態になります。
以下の流れです。
- 糖質の食べすぎ → 血糖値の急な上昇 → 血糖値の急な低下 → 低血糖
低血糖とは、血液中のブドウ糖が少ない状態、つまりエネルギーが足りていない状態です。なので、集中力がなくなったり、イライラしたりします。また、カラダは空腹を感じて、さらに糖質を欲しがります。そして我慢できず、甘いものなどをまた食べてしまい、血糖値は急上昇するという悪循環の繰り返します。
甘いものを食べると、その瞬間は満たされるけど、そのあとすぐにまた甘いものが欲しくなる、という経験はありませんか?それは、このような血糖値の乱高下が原因です。
そしてこのような、血糖値が不安定な状態が「疲れやすさ」につながります。
なので、お菓子や清涼飲料水、ラーメンやカレーライスなど、糖質量の多い食品ばかり食べている人は、疲れやすくなっていると言えます。
ちなみに、血糖値を急に上げるような食事を続けると「太ります」。上がった血糖値は、インスリンというホルモンの分泌によって下がります。このインスリンは別名、肥満ホルモンと呼ばれており、カラダの余ったエネルギーを体脂肪にして蓄える働きがあります。
また、インスリンは膵臓(すいぞう)から分泌されるのですが、過剰なインスリン分泌は膵臓に負担をかけ、さまざまな不調をカラダに引き起こすとも言われています。
疲れやすさを改善するための食事方法
つまり、血糖値が安定すれば、イライラせず、集中力も高くなり、疲れにくくなるということです。
血糖値を安定させるための食事方法は次のとおりです。
- 糖質の量と質を調整する
- たんぱく質とヘルシーな脂質をとる
- よく噛んで食べて、食後に少し歩く
それぞれ解説していきます。
糖質の量と質を調整する
3大栄養素の「糖質、たんぱく質、脂質」のなかで、血糖値を上げるのは糖質だけです。たんぱく質と脂質は血糖値を上げません。
なので、まずは糖質の量と質を調整することがもっとも重要になります。
糖質とは、炭水化物に含まれる栄養素です。糖質と食物繊維をあわせて炭水化物と呼びます(炭水化物=糖質+食物繊維)。食品に含まれる食物繊維の量はそこまで多くありませんので、糖質と炭水化物は、ほとんど同じと考えればOKです。
糖質は、主食(穀物)や果物、イモ類に多く含まれ、カラダや脳のエネルギー源になります。
糖質の量は、多すぎても、少なすぎてもダメです。1食で40~60g、1日で120~180gを目安にしてみましょう。(ダイエット目的であれば、1食40g、1日120gが1つの目安となります。)
食品ごとの糖質量はこちらのサイトで確認してみてください。
https://www.locabostyle.jp/carb/
たとえば、茶碗1杯(120g)の白米で糖質約55gなので、1回の食事でほとんど上限です。他の食品にも糖質が含まれていますので、茶碗のお米の量を調整して、糖質をとりすぎないようにするのが大切です。
糖質の質も大切です。同じ糖質でも、血糖値の上がり方には違いがあります。たとえば、白米や食パンなどの精製された糖質は血糖値を上げやすく、玄米や全粒粉パンなどの精製されていない糖質は血糖値が上がりにくいです。
日本人であれば、白米を玄米に変えることからはじめるのが良いですね。ただし、玄米は農薬が残ってしまうリスクがあるので、なるべく無農薬のものを選びましょう。
パンであれば、全粒粉などでつくられたものが望ましいです。また、最近はローソンのロカボパンといった糖質量が低いパンが売られているので、それを活用するのも良いでしょう。
また、砂糖は基本的に避けるようにしましょう。精製された砂糖は、他の糖質とくらべて、血糖値を急激に上げてしまいます。なので、砂糖が大量に含まれるお菓子やジュースなどはNGです。
間食が食べたいときは、ナッツやチーズ、干し魚など、糖質量が少ないものがおすすめです。
たんぱく質とヘルシーな脂質をとる
糖質の質と量が調整できたら、つぎはたんぱく質とヘルシーな脂質をとります。
ほとんどの現代人は糖質をとりすぎなので、糖質の量を調整すると、総摂取カロリーが減ると思います。総摂取カロリーが足りていないと、エネルギー不足となり、それはそれで元気が出ません。気分よく過ごすにはエネルギーが必要です。
そこで、たんぱく質とヘルシーな脂質でしっかり補ってあげる必要があります。逆に、現代人はたんぱく質とヘルシーな脂質が不足しているケースが多いです。前述のとおり、たんぱく質と脂質は血糖値を上げません。血糖値を安定させながら、エネルギーをしっかりとることができます。
また、たんぱく質と脂質は、糖質といっしょにとることで、血糖値を上げにくくしてくれます。たとえば、朝食はパンだけでなく、オリーブオイルやバターつけたり、卵を加えたりすると、血糖値の上昇がおさえられるということです。(参考:European Journal of Clinical Nutrition, 01 Mar 1992, 46)
さらに、たんぱく質と脂質はカラダの材料になります。カラダのうち約60%の水分を除くと、それ以外はほとんど、たんぱく質と脂質でできています。とくに、たんぱく質は筋肉の材料となって、筋肉が減るのを防いでくれます。筋肉の量をキープするのは、疲れにくいカラダづくりのために大切です。
たんぱく質とヘルシーな脂質のとり方については、こちらの記事で詳しく解説しています。ダイエットのための記事ですが、疲れにくい食事と考え方は同じです。ぜひ参考にしてみてください。
よく噛んで食べて、食後に少し歩く
食べ方によっても血糖値の上がり方は変わります。
よく噛んで食べると、血糖値の上昇がおさえられます。食事には、少なくとも15分以上はかけてゆっくりよく噛んで食べるようにしましょう。また、よく噛むと満福中枢が刺激され、食欲が満たされやすくなるので、ムダなカロリー摂取を防いでくれて、ダイエットにも効果があります。
また、食後に少し歩くことも、血糖値の上昇をおさえてくれます。10分ぐらいでOKですので、食後に歩くことを習慣にとりいれてみてください。
まとめ
- 疲れやすさの原因は「血糖値」
- 疲れやすさを改善するためには、血糖値を上げない食事をすることが大切