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【トレーナー監修】ダイエット中の食べるタイミングと食べ方

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「何を食べるか」に気をつかう方は多いですが、「いつ、どういう順番で食べるか」は見落とされがちです。じつは、食べるタイミングや順番を間違うと、太りやすくなるので、注意が必要です。

 

この記事では、「太りにくい食べ方のコツ」について解説していきます。
 

【以下のような方におすすめです】

  • 朝は忙しいから食べる量が少ない(→太りやすい)
  • 朝と昼より、夜にたくさん食べてしまう(→太りやすい)
  • 食事をするときに炭水化物から食べはじめる(→太りやすい)

 

なお、私は現在、ダイエット専門のトレーナーとして、やせるパーソナル食事指導「MyEating」を運営しており、クライアント様に食事指導を行っています。

私自身は、食事の改善で、体脂肪率10%前後を5年以上キープしています。

この記事は、カラダの生理学的な事実や研究の結果、私のトレーナーとしての経験をもとに書きました。ご参考になればうれしいです。

 

どの時間に食べるとやせる?

朝食:昼食:夕食のバランスで、太ったり痩せたりします。

 

結論から言うと、朝食:昼食:夜食の割合を、3:5:2 か 4:4:2(コマ型)、または 5:3:2(逆三角形)にすると、痩せやすくなります。ヒトのカラダは日中にエネルギーを使い、夜はエネルギーをあまり使いません。なので、朝と昼にしっかり食べて、夜は少なめにするのが基本です。コマ型か逆三角形かは、自分のライフスタイルに合った方を選べばOKです。

 

朝食と昼食について

朝食と昼食をしっかり食べることは、2つの効果があります。

 

1つは、日中の消費カロリーが増えるということです。

ヒトの1日の総エネルギー消費量は、「身体活動が約30%、基礎代謝が約60%、食事誘発性熱産生が約10%」です。(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット 身体活動とエネルギー代謝

朝と昼にしっかり食べたものは、1日のエネルギー源になります。エネルギーがあれば、自然と身体活動は増えていくものです。たとえば、歩く、階段をのぼる、家事をするといった活動です。それぞれの活動の消費エネルギーは大きくはありません。しかし、毎日の積み重ねが長くつづくと、ダイエットに効いてきます。

 

また、基礎代謝の割合は、「肝臓27%、脳19%、筋肉18%、心臓7%、腎臓10%、その他19%」です(参考:FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会報告 TABLE2)。肝臓と腎臓で約37%。胃腸なども含めると、内蔵の働きだけで約40%以上はあって、意外と大きいんです。内臓は日中にたくさん働きます。朝と昼にしっかり食べることは、内臓がよりたくさん動いて、基礎代謝が増えることにつながります

 

さらに、朝食と昼食で「たんぱく質」をしっかり食べると、食事誘発性熱産生も増えます。食事誘発性熱産生とは、栄養素を消化吸収するときに、熱が生じることです。この熱産生でカロリーを消費するのですが、栄養素によって違いがあり、「糖質6%、脂質4%、たんぱく質30%」とされています(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット 食事誘発性熱産生/DIT)。このように、たんぱく質は熱産生の消費カロリーを増やしてくれるのです。

 

2つ目の効果は、昼以降の「ムダな間食」や「夕食の食べ過ぎ」を防いでくれるということです。朝と昼の食事が少ないと、どうしても昼以降に食べる量が増えます。夕方から夜にかけて、あとは寝るだけなので、カラダはエネルギーをあまり使いません。なので、食べすぎて余ったエネルギーは体脂肪に変わりやすくなり、太ります。朝と昼にしっかり食べれば、夕食は少なめにすることができて、太りにくくなるということです。

 

夕食について

前述のように、夜はあと寝るだけですので、エネルギーをあまり使いません。夕食は少なめにしたいところです。また、できれば寝る4時間前には食べ終えて、それ以降は何も食べないようにしましょう。

 

とはいっても、そんなカンタンにできたら苦労しませんよね。

 

夕食を少なめにするにはコツがあります。

それは、野菜とたんぱく質、ヘルシーな脂質を中心に食べることです。

野菜や海藻、キノコは食物繊維をたくさん含んでおり、しっかり食べれば食欲を満たしてくれます。

また、たんぱく質と脂質も、食欲を満たしてくれるので、適度な量でおさえることができます。そのうえ、血糖値を上げないので、太りにくいです。

 

※ヒトが太る大きな原因は「血糖値」です。血糖値が上がると、血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは別名、肥満ホルモンと呼ばれており、カラダに余ったエネルギーを体脂肪として蓄える働きがあります。血糖値を上げる唯一の栄養素は糖質です。たんぱく質と脂質は血糖値を上げません。

 

逆に、炭水化物(糖質)をとりすぎると、血糖値が上がって、太りやすくなります。そのうえ、血糖値が上がると、つぎは下がって低血糖になります。血糖とは、カラダのエネルギー源です。低血糖になると、カラダがエネルギー不足と勘違いして、食欲にスイッチが入れてしまいます。すると、お腹が減ってまた食べる、という悪循環にハマるので、注意が必要です。夕食の炭水化物(糖質)は少なめにするのが基本です。

 

また、ヘルシーな脂質は、夜寝ているときのエネルギー源になって、脂肪の燃焼をたすけてくれます。睡眠の質を良くしてくれる効果も期待できます。(炭水化物(糖質)の量を調整していることが前提です)

 

どういう順番で食べると太りにくい?

1回の食事で、食べる順番も大切です。

次の順番で食べると太りにくいです。 

 

その理由は「血糖値」です。炭水化物(糖質)から食べはじめると、血糖値が上がりやすくなります。しかし、野菜やたんぱく質、脂質を食べたあとに、炭水化物(糖質)を食べると、血糖値が上がりにくくなる効果があります

 

小さなことのように見えますが、毎日3食の積み重ねが、ダイエットにジワジワ効いてきます。

 

よく噛んで食べると太りにくい

よく噛んで食べると、血糖値の上昇がおさえられ、太りにくくなります。また、よく噛むと、脳の満腹中枢が刺激されて、食欲が満たされやすくなるので、ムダなカロリー摂取をさけることもできます。

 

広島大学による1,000人以上を対象にした調査でも、ゆっくり食べると肥満になる可能性が低く、糖尿病などのリスクが低下することが報告されています。(参考:American Heart Association: Gobbling your food may harm your waistline and heart

 

食事には少なくとも15分以上はかけて、ゆっくり食べるようにしましょう。日本生活習慣予防協会が、噛む回数を増やすための6つの対策を発表しています。とても役に立つので、ぜひ実践してください。

  1. ひと口の量を減らす
  2. 食事の時間に余裕をもつ
  3. まずは噛む回数を5回増やす
  4. 食材は大きく、厚めに切る
  5. 歯ごたえのある食材を選ぶ
  6. 薄味にする

(参考:社団法人日本生活習慣予防協会 「早食い」が原因で肥満やメタボに よく噛んで食べるための6つの対策

 

食後にちょっと歩くと太りにくい

食べ終わったあとに、どう過ごすかも大切です。

食後にできれば少し歩くようにしましょう。10分ぐらいでOKです。

 

これも「血糖値」が理由です。食後に歩くと血糖値の上昇をおさえる効果があり、太りにくくなります。

 

これも毎日の積み重ねで、ダイエットにジワジワ効いてくるものです。ムリなく長く続けられる範囲で、生活にとりいれましょう。

 

腹八分目におさえる

そもそも、現代人は一般的に食べすぎです。いつも腹八分目にするという意識を持ちましょう。

腹八分目にすると太りにくいのは明らかですが、それだけではありません。

「腹八分目」と「健康で長生きすること」には関係があることが研究で報告されています。(参考:オムロン 腹八分目で健康寿命を伸ばす

 

その理由は、腹八分目が、内臓に負担をかけない食べ方だからです。

 

人類は誕生してから、およそ600万年かけて進化してきました。その歴史のほとんどは、狩猟採集の生活で、食べものは基本的に不足していました。いつも飢餓と隣り合わせです。現代のように、毎日お腹いっぱい食べられるようになったのは、人類の歴史から見ると、ほんの最近の出来事です。

つまり、ヒトのカラダは、食べものが不足している環境に適応しているということです。腹八分目は、ヒトのカラダに合った自然な食べ方と言えます。逆に、お腹いっぱい食べることに、カラダは適応していないということです。

 

健康にやせるために、腹八分目を心がけましょう。 

 

まとめ

  • 朝と昼にしっかり食べて、夜は少なめにするのが基本
  • 「野菜 → たんぱく質、脂質 → 炭水化物(糖質)」の順番に食べると太りにくい
  • よく噛んで食べると太りにくい
  • 食後にすこし歩くと太りにくい
  • 腹八分目にすると健康に長生きする